PHOTO講座PHOTO講座(デジカメを使って写真を撮ろう) 前半講師●●●● 先日、歯医者さんの待合室で 「今日からデジカメ写真がうまくなる 九門 易(くもんやすし)」ソフトバンク新書 を読みました。なるほど、と色々この本は優れものだと、感じましたので要約し、教材として使いまーす。 まえがき フイルムを使っていたときは、上手になるにはそれなりに金銭的な負担を求められていましたが。だから、写真は特殊技術だったのですが、デジカメが普及し、撮影代はほとんどただ、撮影結果はリアルタイムで確認できます。革命的な出来事です。 ほんのちょっとした知識を身につけ、ほんのちょっとした工夫ができるようになれば、誰でも満足できる写真が撮れるようになります。 写真を撮るうえで、必ずこうしないといけないとか、これが正しい写し方だ、なんてありません。「こうしたらこうなる」といった法則を覚え、自分で考えられるようになることが大切です。 写真は難しいですか? 写したいものを見た目以上に綺麗に写すだけであれば、技術的にはさほど難しくない。どのような人でも100カットに1カットくらいは、まあ満足できる写真が撮れます。 この確率を増やすような技術を身につけるだけでよい。 いい写真ってなんだろう? 写真を見る人の目的によって価値判断が異なる。同じ写真でも見せる場所や目的によって良し悪しは異なります。写真の良し悪しを決めるのは文化です。客観的、絶対的評価はない。 ただ、いい写真の共通点は写真に写っていない何かを感じることができる。 見る人の心を動かす写真とは 味や匂いが見える料理写真 立派な部屋、高級そうなうつわ、上品な盛りつけが大切。 笑い声が聞こえる子どもの写真 いい笑顔がつい出るような雰囲気づくりが大切。 価値のある芸術写真 芸術写真の評価とは、どれだけ価値の高い美術館や写真ギャラリーに展示されるか、によって決まる。有名作品のほとんどが、サービス版にプリントすると、それこそ、普通の写真に見える。 感動的なシーン「あ、これいいな」が感動的にならない理由 「あ、これいいな」と思った気持ちそのものが、カメラを持っているときの心のあり方に左右される 「あ、これいいな」の現実シーンは、まわりの気温、風、匂い、そして写真のイメージになる時間の流れの中で「あ、これいいな」を感じている。それは決して写真に写らない。 写真を見る人の気持ち 実物を知らない、写し方を知らない人は、自分自身の思い込みによる勝手な想像力によって、それを補いながら写真を見ることになる。 写真で気持ちを伝えることはできるのか 日常生活の中で数多くの写真から、気持ちや感動を受け取ることは簡単です。しかし、自分の気持ちや感動を写真で伝えるのは難しい。それは、写真の基礎技術がほとんど知られていないから。 写真は真実を写さない 下手なイメージになってしまう。写真やカメラに対して期待感を持っているせいです。パソコンを買ったら、すぐにいいイラストが描けると思っていませんが、カメラを買うとすぐに名作が撮れるような気がするのです。また、撮れるときもあるからおもしろい。 「写真は真実を写す」という思い込み でも、真実を作り出す力は持っています。 カメラは見た通りには写せない 同じカメラでも、プロが使えば綺麗に写るのは、その場面にあった調整の仕方を知っているからです。 つまり綺麗な写真を撮りたいなら、綺麗な光の像を得る必要がある、要するに被写体をきれいにすればいい。笑顔を撮りたいなら笑わせるだけ。 カメラアングルを変えて、さまざまな設定を調整することで、被写体のよさを際立たせる。被写体をよく見せる方法こそ、いい写真を撮るうえで大切です。 プロはこうやって撮影する 写真のプロには職人的な技があります。それは、被写体に対する知識と対応に、その職人技があります。 動物を取るプロは、動物に対する知識が豊富で、動物の動きを予測したり操ったりすることに習熟している。 料理の知識なくして、おいしそうな料理の写真は撮れない。 スポーツのルールを知らない人は、選手の動きすら読めない。 女性の気持ちがわからなければ、おざなりの表情しか撮れません。 子どもが好きでないと、子どもに嫌われます。 四季と、天候の変化を知らない人に、美しい風景は撮れません。 被写体が好きで、その写真を見るのが好きであれば、写真の技術は後からいくらでもついてきます。 写真の「センス」 テクニックを教わってもうまくできない、最後の砦がセンスです。センスが悪い人でもプロになれます。センスの悪い人でも仕事はできています。センスの悪さを生かして、撮影者の人柄や魅力を感じさせる力を持つこともあります。この力は、センスのよい写真には決してまねることのできないものです。自信を持って進んでいきましょう。 プロはたくさん撮る?それともワンカット? 「たくさん撮る」のは、いい写真を撮る為の王道です。数うちゃあたるが写真の本質です。 ただ、カメラの設定も同じ、光の当たり方も同じで、同じ対象を同じ位置から何千枚撮影しても、だめです。大切なのは、枚数でなく、可能性の幅を広げることです。 「一枚で当てる」ですが、これはプロの存在価値を高める言い方としてとても強い力を持っています。実を言うと、1枚しかない写真によいも悪いもないのです。それしかないから、よいものになる、というのが実情です。つまりプロは、写真を1枚しか提示しないことによって、その1枚の価値を高めることができます。 プロの本当の技は「演出」にあり 報道写真も、数多く撮影したカットの中から「らしさ」をもっとも表現しているようなカットを選び、それを公表することは演出のひとつと考えてよいでしょう。 プロの人物写真は、ヘアメイク、衣装のプロがかかわります。これに演技が加わり、照明によって雰囲気をかもし出せば、それこそ鬼に金棒です。 自然を写すには、そこに自然だけがある場所を探し、美しい自然だけが画面に入るポジションを選び、目の前の自然がより特徴的な自然に見えるように写します。 「写真は真実を写す」ではなく、「それらしく嘘をつく」です。 撮られる人の心構え 本物らしく写すには、本物らしさを演じる必要があります。 デジカメなら、プロ並の写真が撮れる。 デジカメは気軽に撮れて、気軽に見せて、気軽に消すという、フイルム時代になかった手軽な写真の楽しみ方があります。それは、プロとアマの垣根が低くなったといえます。 5つのポイントを押さえればデジカメは使いこなせる さあ、説明書を見ましょう!! A 露出補正:写真の明るさを変える B ストロボ設定:自然な光を求める C ズーム:被写体の体を綺麗に写す D ピントが合わないときの対処方法 E ホワイトバランス:色を調整する A 白いものは+2明るく 黒いものは-2暗く B ストロボは発光禁止! カメラブレを抑えるには、台に固定する。顔に押し当てる。ストラップを首にかけて張るようにして撮る C ズームは形を変える。望遠側にするとプロっぽく写る D ピントを合わせたい被写体にフォーカスフレームを重ね、シャッターボタンを半押ししたまま、カメラをずらして構図を変え、シャッターボタンを押します。 E ホワイトバランスをすべてためしてみて一番色が近いのを選ぶ。 デジカメの色は「記憶色」「期待色」に近い色になるように作られています。 うまく撮るための基礎テクニック ステップ1 カメラを自在に使えるようにする ステップ2 ワンカットでやめない 構図を考えずに数枚、あとはいろいろ考えて横、たてで各数枚とる。 ひとつのテーマで、一度に400枚以上撮るときがあります。 ステップ3 写したいものを大きく写す あまり構図を考えない。 ステップ4 背景に写っているものに注目する 背景が綺麗だと、写しているものもきれいです。 ステップ5 被写体に当たっている光を意識する 「写真はライティングで決まる」 光の強さが重要ではなく、どこに光が当たって、どこに影ができるか。 ※記録写真より脱却を図れ! 参考文献 「今日からデジカメ写真がうまくなる」九門 易(くもんやすし)著 ソフトバンク新書 「ほくは写真家になる!」大田順一 著 岩波ジュニア新書 後半は野外で実習です。 ご意見、ご質問がありましたら、下記まで。 メール:nownau@hotmail.co.jp ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/nownau/ |